本記事は、名古屋市教員採用試験を受験する方向けの記事です。
- 小論文の傾向は?
- 小論文の過去問テーマは?
- 小論文はどうやって対策すればいいの?
このような悩みを解決します!
よく小論文試験=筆記試験と思っている受験者は多いですが、文章から人間性を探るという性質上、人物試験(面接)に近いと僕は思います。
勉強すればした分だけ成果が見える筆記試験とは違い、解答は添削者の力量次第で変わってくるため、なんとも厄介な試験といえるでしょう。
苦手意識がある人は特に注意が必要です。
どんな課題(テーマ)がでるのか、どうやって対策すればいいのか悩んでいる方は参考にしてくださいね。

名古屋市教員採用試験の小論文とは?傾向を解説します
小論文は、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。
筆記試験(一般教養や専門教科)では判断できない、論理的思考力や読解力、人間性などを総合的に測ることができます。
ただ単に文章を書くのではなく、 課題を正しく読み取り、自分の経験や体験を盛り込みつつ説明できるかなど、知識の総合的な応用力が問われます。
テーマは抽象的
過去問を見るとわかりますが、キーワードにそって自分でテーマを決めてから執筆します。
なので、そもそもテーマを考えられないと上手に書くことができません。
どれだけ文章構成がよくても、テーマがおかしかったり、論点がズレていたりすれば点数はあがらないので注意が必要です。
文字数は短め
文字数の制限はありませんが、原稿用紙から500字程度(横25マス×縦20行)が上限になります。
「何文字くらい書けばいいの?」と悩む受験者は多いですが、書くときは9割前後(450字~)を目安に書くといいでしょう。
文字数は大きな評価ポイントなので、必ず守ることが大切です。
文字数も、何度か書くうちに型が出来ると思うので、自分なりの文字数を身に付けましょう。
試験時間は短い
試験時間はたった50分しかありません。
実際に時間が足りず、途中で提出してしまい落ちる人はけっこういるんですよね…。
- 課題の把握、文章構成:5分
- 執筆:40分
- 推敲(見直し):5分
こんな感じで、時間配分に注意して書くようにしてください。
【名古屋市教員採用試験】小論文の評価基準
以下3つの観点について4段階の採点を行います。
- 問題意識
- 教育的資質
- 表現力
問題意識
テーマと論述内容の着眼点は、自分自身の体験や教育に関わる課題を適切に踏まえたものになっているか。また、自らの思いや考えを述べるとともに、見通しや豊かな発想が見られるか。
教育的資質
文章全体から、教育に対する情熱や使命感、豊かな人間性が感じ取れるか。
表現力
- 文章構成
- 文脈(内容)の展開
- 字句の使い方
これらが適切で、読みやすい論述となっているか。
最終的にそれぞれの観点の合計によって、A~Eの5段階で判定します。
足切りに注意
なお、筆記試験で高得点を取っていてもD以下で不合格(=足切り)なので注意が必要です!
【名古屋市教員採用試験】小論文の過去問(テーマ)を紹介します
ここでは名古屋市教員採用試験の論文で出題された過去問5年分をまとめています。
平成31年度(2018年実施)
「変化」という言葉から想起されるテーマを設定し、テーマ設定の理由を記述しなさい。その後、あなた自身の具体的な体験とあなたの教育観を関わらせて論述しなさい
令和2年度(2019年実施)
人との関わりを通して、あなたが成長したと感じた体験を想起してテーマを設定し、その体験とあなたの教育観を関わらせて論述しなさい。
令和3年度(2020年実施)
新型コロナウィルス感染症の流行により、社会全体が影響を受け、私たちの生活も変更を余儀なくされています。これらの状況の中で、あなたが強く感じた事をもとにテーマを設定し、その内容をあなたの教育観と関わらせて論述しなさい。
令和4年度(2021年実施)
「踏み出す」という言葉から想起されるテーマを設定し、あなた自身の具体的な体験とあなたの教育観とを関わらせて論述しなさい。
令和5年度(2022年実施)
「つまずく」という言葉から想定されるテーマを想定し、あなた自身の具体的な体験と教育観とを関わらせて論述しなさい。
なお、平成31年度より前のテーマや模範解答例を以下のnoteで公開しています。併せて確認してください。

【独学でもできる?】名古屋市教員採用試験の小論文対策について
「独学で小論文対策は難しい」というのが僕の意見です。
なぜなら、知識のない人が適当に文章を書いても、書けているのかどうか判断できないからです。
良い悪いの判断ができない
- 文章の構成
- 分かりやすさ
- 誤字脱字や不適切な表現
- 字数
- テーマを正しく理解している
- テーマに沿って論じている
- 自分の考えを具体的に記述している
これらの観点に沿って2人~3人の試験官が「減点法」を用いて採点します。
実際に書いた答案から、
- 文字数が少ない(多い):マイナス10点…
- 論点からずれている:マイナス3点…
- 文章構成がでたらめ:マイナス5点…
- 漢字ミスがある:マイナス1点…
- 熟語の使い方が違う:マイナス2点…
といった感じで点数を引いていき総合点を決定するのです。
何も知らない素人がどれだけ小論文を書いたところで…判断できませんよね。
客観的な評価が大事
正解不正解がわからないまま対策を続けても成績は伸びないので、書いた答案は必ず添削してもらいましょう。
小論文で落ちる人ほど、書いたら書きっぱなしってことが多いんですよね…。小論文を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じことです。
効率よく小論文対策をするなら「添削でフィードバックをもらう」ことが大事です。
なお、オススメの添削サービスを以下の記事でまとめています。周りに頼れる人がない方は参考にどうぞ。

名古屋市教員採用試験の小論文はいつから対策する?
結論をいえば、人によります。
「何を当たり前のことを言っているんだ!」と思うかもしれませんが、事実なので…。
というのも、あなたが文章を書くのが得意と思いこんでいるなら本番1カ月前でもよいかもしれませんし、まったく苦手ならもっと早くやるべきだからです。
とはいえ、とりあえず書いてみて評価を受けてから判断することをオススメします。
何度も言うように、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあるからです。
添削を受けてみて、ある程度書けていれば月に1~2枚ぐらい書く、まったくダメなら繰り返し書く。このように判断するといいでしょう。
小論文対策は明確な解答がないため、独学では限界があります。そのことを踏まえて練習してください。


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