仙台市教員採用試験の集団討議とは?過去のテーマや傾向、対策ポイントを解説

仙台市教員採用試験の集団討論

仙台市教員採用試験の二次選考において実施される「集団討議」。

集団討議を経験したことのある人は少ないため、

  • どんなテーマがでるの?
  • どんな試験・流れなの?
  • どうやって対策すればいいの?

と、悩んでいる人は多いです。

そこで本記事では、仙台市教員採用試験の集団討議で出題されたテーマ(過去問)を紹介します。

傾向や流れ、対策方法なども解説しているので参考にしてください。

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仙台市教員採用試験の集団討議はどんなテーマがでるの?

ここでは、仙台市教員採用試験の集団討議で出題されたテーマを公開しています。

集団討議のテーマは当日に※2題発表され、少し考える時間を与えられたあとに討論するという流れ。

※令和4年度から、①社会一般、②学校での指導場面に関するテーマ

令和5年度採用(2022年実施)

  • 学力向上のために,学校の授業でどのような工夫をするか。具体的な例を挙げながら,皆で話し合いなさい。
  • インターネット上でのいじめ問題が生じている。このような問題を未然に防ぐために学校としてどのような対応が必要だと考えるか,皆で話し合いなさい。
  • 現在,小学校では,大半の児童が震災を経験していない。これから防災教育を推進し危機対応力を育成するためには,どのような工夫が必要だと考えるか,皆で話し合いなさい。
  • より良い人間関係を職員室で構築するために,どのようなことを大切にしたいと考えるか。皆で話し合いなさい。
  • 児童生徒のコミュニケーション能力の向上のために,学校教育でどのような工夫が必要だと考えるか,皆で話し合いなさい。
  • 不登校児童生徒の社会的自立や学校復帰に向けた支援のために,どのような対応が必要だと考えるか,皆で話し合いなさい。
  • 児童が環境問題を自らの問題として捉えるために,どのような学習展開の工夫が大切だと考えるか,皆で話し合いなさい。
  • 仙台市では,健やかな体の育成として,体力向上につながる運動の日常化を推進している。新型コロナウイルス感染症の予防をしながら,どのような取組が必要だと考えるか,皆で話し合いなさい。
  • いじめの未然防止に向けた学級づくりを行うときに,どのようなことに留意しながら取り組むことが大切だと考えるか,皆で話し合いなさい。

令和4年度採用(2021年実施)

  • 仙台市教育構想2021では基本方針として,個性に応じた一人ひとりの学びを促し,長所を引き出す学校教育を掲げています。児童の長所を引き出すための方法について,みなさんで話し合ってください。
  • 児童の読書時間の低下が懸念されています。読書の時間を確保するために,学校が果たすべき役割について,みなさんで話し合ってください。
  • 学力を向上させるためには主体的に学習に取り組ませることが重要です。このために学校の授業でどんな工夫をしていくか,みなさんで話し合ってください。
  • 健やかな体の育成に向けて,食育は大切な教育の一つです。児童に望ましい食習慣を身に付けさせるために,特に家庭との連携において大切なことをみなさんで話し合ってください。
  • いじめの末然防止のために「特別の教科 道徳」の一層の充実が求められています。道徳的な課題にしっかりと向き合わせるために大切なことを,みなさんで話し合ってください。
  • GIGAスクール構想により,仙台市においても児童一人に一台の端末を整備しています。他者との関わり合いを通して学びを深めていくために,この端末をどのように活用していくとよいか,みなさんで話し合ってください。
  • 近年のインターネット環境の進展により,ネット依存症の低年齢化が社会問題となっています。このことを未然に防止するため,学校でどのような授業をしていくとよいか,みなさんで話し合ってください。
  • 仙台市においても,学校運営協議会(コミュニティ・スクール)の制度の整備が進んでいます。学校が地域と連携して教育活動を行うために何が必要か,みなさんで話し合ってください。
  • 震災後10年が経過しましたが,防災教育の重要性は変わりありません。防災教育では平常時から思いやりの心を醸成することが大切とされていますが,このことを学校の教育活動でどのように育成していくとよいか,みなさんで話し合ってください。
  • プログラミング教育では社会が情報技術によって支えられていくことに気づくことも目指しています。このねらいを達成するために,大切なことについてみなさんで話し合ってください。

令和3年度採用(2020年実施)

  • 震災を経験していない児童が増えてきました。今後防災教育を推進していくうえで工夫すべきことについて,みなさんで話し合ってください。
  • 児童のコミュニケーション能力の低下が懸念されています。コミュニケーション能力の向上のために大切にしたいことについて,みなさんで話し合ってください。
  • これからの社会で求められる力の一つに,「他と協働する力」が挙げられます。児童に対してこのような力をどのように育んでいけばよいか,みなさんで話し合ってください。
  • 保護者との懇談会の席で,「学力向上のために宿題を増やしてほしい」という意見と「習い事が忙しいから宿題を減らしてほしい」という意見が出ました。教員としてどのように対応していくか,みなさんで話し合ってください。
  • 児童生徒の安全安心な生活が学校には求められます。安全安心な学級づくりのために担任として大切にしたいことについて,みなさんで話し合ってください。
  • 特別な理由もなく欠席しがちな児童がいます。家庭環境に大きな問題も見られません。この児童とどのように関わっていったらよいか,みなさんで話し合ってください。
  • 授業中の立ち歩きが目立つ児童を担任することになりました。この児童を指導するときに大切にしたいことについて,みなさんで話し合ってください。
  • 担任している学級の学力が極端に低いことが分かりました。学力向上のために大切にしたいことについて,みなさんで話し合ってください。
  • 児童の体力低下が懸念されています。体力向上のための取組について,みなさんで話し合ってください。

知識がないテーマの場合は、それだけで話し合いに参加できないため普段から幅広く知識をインプットするように心がけましょう。

ふくなが

まずはテーマを見て自分の意見がスラスラ出てくるか確認してみてください。

仙台市教員採用試験の集団討議とは?傾向を解説します。

集団討議とは、複数の受験者がお題に対して意見を述べ、話合いをしていく試験です。

集団討議では、複数の人が自分の意見を述べたり、他の人の意見を受け止めたりすることで、議論が進んでいきます。また、議題を絞り込んだり、意見を整理したりする必要があったりとやることが多い試験なんですよね。

試験時間40分
受験人数1グループ4~6人
面接官3人

流れ

STEP
テーマの発表

試験会場で討論テーマが発表されます。

STEP
構想

1分間で考えをまとめます。

STEP
討論(司会者の決定)

最初に司会者を決めます。

STEP
討論

テーマに沿って受験者間で討論を2セット行います。

1回目:一般社会に関すること
2回目:学校での指導場面に関すること

詳しいテーマはこちら。

STEP
討論

テーマに沿って受験者間で討論を行います。

評価基準

面接官それぞれが下記の観点に沿ってA~Eの5段階で評価をつけます。

  • 他者とのコミュニケーション能力を身に付けているか。
  • 学習指導や生徒指導等における場面対応力を備えているか。
  • 教員としての適性を備えているか。

D以下の評価で即不合格(足切り)になるので注意!

「討論」と聞けば、意見を言い合い自分の主張が正しいことを論理的に説明して議論することを想定するかもしれません。

しかし、教員採用試験における討論は議論を交わすよりも、お互い協力して課題を解決するという点を意識しなければいけません

仙台市教員採用試験の集団討議はどうやって対策する?

集団討議の対策は次の手順で進めてください。

  1. 指導力・知識を鍛える
  2. 友人同士で意見交換を行う
  3. 実践形式で練習する

指導力・知識を鍛える

「生徒指導や学級経営」がテーマになりやすいです。

そのため、教職の知識や自分なりの教育観を考えおくことが重要。

どれだけコミュニケーション能力が高くても、話すネタや教育感が定まっていないと話し合いになりません。

普段から教育時事などの知識をインプットできるようにしておきましょう。その際、仙台市の方向性や文科省の資料などにも目を通しておくといいでしょう。

友人同士で意見交換を行う

日頃から友人同士で教育問題などについて意見交換を行いましょう。

討論では他者とのコミュニケーションが何よりも大切なので、意見を聞くこと、まとめることも重要な要素になるからです。

このときは自分の意見に説得力を持たせるため「こういうことだから、こう思う」と、根拠を盛り込んで論理的に話すことがポイント。

実践形式で練習する

必ず1回、できれば2回は実戦形式の練習を受けましょう。

どんなに知識を持っていても、それをきちんと伝えることができるとは限らないからです。また、緊張感のある場で実力が発揮できるかを確かめる意味もあります。

大学などでも対策してくれると思いますが試験は年齢や身分が不特定の人と一緒になるため、予備校などを使うと効果的です。

仙台市教員採用採用試験の集団討議で評価を上げる5つのポイント

集団討議の評価を上げるには、次の5つが大事です。

  1. 傾聴力
  2. マウントはとらない
  3. 印象が重要
  4. 気配り
  5. 修正能力

傾聴力

人の話を真剣に聞くことは大切です。

  • 生徒
  • 児童
  • 保護者
  • 教員同士

多くの人と話すうえで端的にわかりやすく伝えることが大切で、その根幹となるのが傾聴力だからです。

自分の意見を伝えるためにも、まずは聞くことに徹する力を鍛えましょう。

マウントはとらない

自分の意見と違う発言をされても否定してはいけません。なぜなら、相手を思いやれる純粋な心をもった人物が評価されるからです。

たとえば、生徒が考えたことを先生に否定されたらどう思いますか?深い傷を負い考えることを放棄するかもしれません。

そんな先生に今後、指導を受けたいと思うでしょうか?

子どもたちは日々、いろんなことを考え、先生に話をしてきます。どんな話にも耳を傾け、肯定してあげられる先生が必要だと思いませんか?

自分と違う意見を言っている人がいれば、まずは認めてあげることが大切です。

印象第1主義

集団討議は、印象がとても重要。なぜなら雰囲気作りができる人は印象が良い人だからです。

たとえば、挨拶が盛んな職場と挨拶がまったくない職場の雰囲気はどちらがいいと思いますか?

当然、挨拶が盛んな職場ですよね。

最近の教育現場は協調性がある人物を欲しています。印象を良くして討論の雰囲気を盛り上げていくことができれば協調性があると思われ評価もあがります。

気配り上手

自分ばかり発言しても評価はあがりません。なぜなら集団討論は個人の能力よりも集団の中で、どれだけ働くことができているかを評価する試験だからです。

たとえば、クラスのなかで活発に発言する生徒と会話に入ってこられない生徒がいたらどうしますか?

会話に参加できない生徒をどうやったら会話に参加させられるかを考えますよね。

発言をあまりしていない受験者を気遣うことができればリーダー性や視野の広さをアピールすることができます。

話を路線に戻す

時間を気にしながら話し合いをしましょう。なぜなら集団討議は時間制限があり、時間内に意見をまとめる必要があるからです。

話に脱線はつきものでして、ついつい結論とは違う方向に話がそれてしまうものです。それた路線を修正せずに話を続ければ時間内に意見をまとめることができませんよね。

仮にまとめられたとしても中身のない意見が出来上がることになります。期限内に与えられたミッションをこなすことは大切なことなので時間を気にして討論をするようにしましょう。

まとめ|集団討議で落ちないように対策を始めよう!

今回は、仙台市教員採用試験の集団討議で出題されたテーマや傾向を解説しました。

集団討議では、自分の意見を述べることが求められますが、そのためには様々なスキルが必要です。

集団討議で落ちる人は、次のような点が原因となることがあります。

  • 話したいことが明確でない
  • 話す前に準備ができていない
  • 自分の意見を正確に伝えることができない
  • 他の人の意見を受け止めることができない
  • 議論が偏っていると感じるが、整理できない

自分の意見を伝えることはもちろん、他の人の意見を受け止めることができるようにする必要があります。そのためには、繰り返し練習(慣れること)が必要です。

集団討議の練習には、次のような方法があります。

  1. 小グループで議論をする
  2. 自分の意見を正確に伝えることができるようにする
  3. 他の人の意見を尊重することができるようにする
  4. 自分の意見を主張することができるようにする
  5. 議論を偏らないように幅広い知識をインプットする

このような練習をすることでスキルを高めることができます。本記事でまとめている過去問を使って練習していきましょう。

仙台市教員採用試験の集団討論

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この記事を書いた人

ふくながのアバター ふくなが 編集長

教員採用試験の指導歴13年目(2022年4月1日時点)、情報メディア「教採ギルド」のほか「教採データベース」「教採ガイド」の運営・編集を担当しています。データ分析や情報配信が得意な人。

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