本記事は、横浜市教員採用試験を受験する方向けの記事です。
- 小論文の傾向は?
- 小論文の過去問テーマは?
- 小論文はどうやって対策すればいいの?
このような悩みを解決します!
よく小論文試験=筆記試験と思っている受験者は多いですが、文章から人間性を探るという性質上、人物試験(面接)に近いと僕は思います。
勉強すればした分だけ成果が見える筆記試験とは違い、解答は添削者の力量次第で変わってくるため、なんとも厄介な試験といえるでしょう。
苦手意識がある人は特に注意が必要です。
どんな課題(テーマ)がでるのか、どうやって対策すればいいのか悩んでいる方は参考にしてくださいね。

横浜市教員採用試験の小論文とは?傾向を解説します
小論文は、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。
筆記試験(一般教養や専門教科)では判断できない、論理的思考力や読解力、人間性などを総合的に測ることができます。
ただ単に文章を書くのではなく、 課題を正しく読み取り、自分の経験や体験を盛り込みつつ説明できるかなど、知識の総合的な応用力が問われます。
教職教養の知識が必要
過去問を見るとわかりますが、学習指導要領や教育時事がテーマになりやすいです。
なので、一定の教職知識がないと上手に書くことができません。
どれだけ文章構成がよくても、そもそもの知識が不足していれば点数はあがりません。教職教養を勉強するときに、「この知識はどこで活かせるのか」確認しながら勉強しましょう。
令和5年度からは傾向に変化が?
コロナの影響で2年ほど実施はなかったのですが、令和5年度(2022年実施)から復活しました。
しかし、これまでの傾向からガラッと変わり「横浜教育ビジョン」に関するテーマだったんですよね。
文字数は少なめ
文字数は400~500字です(令和5年度の場合)。
「何文字くらい書けばいいの?」と悩む受験者は多いですが、上記文字数であれば何文字でもOK。逆に文字数が足りない(多い)場合は減点になるので注意してください。
試験時間は短い
試験時間は30分なので短いです。一般的には60分~80分ほど。
しかし、時間が足りず、途中で提出してしまい落ちる人はそこそこいるんですよね…。
- 課題の把握、文章構成:5分
- 執筆:20分
- 推敲(見直し):5分
こんな感じで、時間配分に注意して書くようにしてください。
【横浜市教員採用試験】小論文の過去問(テーマ)を紹介します
ここでは横浜市教員採用試験の小論文で出題された過去問をまとめています。
平成30年度(2017年実施)
誰もが幸せに暮らす共生社会を目指して、障がいの有無に関わらず、インクルーシブ教育が推進されていますが、授業におけるユニバーサルデザインの基本的な考え方を説明するとともに、授業での具体的な工夫について例を挙げて述べなさい。
平成31年度(2018年実施)
学校図書館の利用について、教科学習をはじめ、すべての学習場面での学校図書館の活用の推進が図られていますが、学習における学校図書館の活用に関しての基本的な考え方を述べるとともに、授業での具体的な活用について例を挙げて述べなさい。
令和2年度(2019年実施)
学習の基盤となる資質・能力の一つとしての言語能力の確実な育成が求められています。各教科の授業において、言語能力をどのように育成することができるか、教科横断的な視点に立ち、具体的な工夫例を挙げながら述べなさい。
令和3年度(2020年実施)
新型コロナウイルスの影響で中止
令和4年度(2021年実施)
新型コロナウイルスの影響で中止
令和5年度(2022年実施)
※全校種共通
横浜教育ビジョン2030 では、横浜の教育の方向性を以下の通り示しています。
「多様性を尊重し、つながりを大切にした教育を推進します」
多様性を尊重し、つながりを大切にしながら、次の四つの方向性に沿って施策や取組を進めます。
①子どもの可能性を広げます
②魅力ある学校をつくります
③豊かな教育環境を整えます
④社会全体で子どもを育みます
上記の方向性①~④のうち一つを選び、あなた自身のよさや強みを生かして、どのようなことに取り組みたいと考えるか、400字以上500字以内で具体的に述べなさい。
横浜市教員採用試験の小論文はどう書く?独学では難しい理由
「独学で小論文対策は難しい」というのが僕の意見です。
なぜなら、知識のない人が適当に文章を書いても、書けているのかどうか判断できないからです。
良い悪いの判断ができない
- 文章の構成
- 分かりやすさ
- 誤字脱字や不適切な表現
- 字数(400字以上500字以内)
- テーマを正しく理解している
- テーマに沿って論じている
- 自分の考えを具体的に記述している
これらの観点に沿って2人の試験官が「減点法」を用いて採点します。
実際に書いた答案から、
- 文字数が少ない(多い):マイナス10点…
- 論点からずれている:マイナス3点…
- 文章構成がでたらめ:マイナス5点…
- 漢字ミスがある:マイナス1点…
- 熟語の使い方が違う:マイナス2点…
といった感じで点数を引いていき総合点を決定するのです。
何も知らない素人がどれだけ小論文を書いたところで…判断できませんよね。
客観的な評価が大事
正解不正解がわからないまま対策を続けても成績は伸びないので、書いた答案は必ず添削してもらいましょう。
小論文で落ちる人ほど、書いたら書きっぱなしってことが多いんですよね…。小論文を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じことです。
効率よく小論文対策をするなら「添削でフィードバックをもらう」ことが大事です。
なお、オススメの添削サービスを以下の記事でまとめています。周りに頼れる人がない方は参考にどうぞ。

横浜市教員採用試験の小論文はいつから対策する?
結論をいえば、人によります。
「何を当たり前のことを言っているんだ!」と思うかもしれませんが、事実なので…。
というのも、あなたが文章を書くのが得意と思いこんでいるなら本番1カ月前でもよいかもしれませんし、まったく苦手ならもっと早くやるべきだからです。
とはいえ、とりあえず書いてみて評価を受けてから判断することをオススメします。
何度も言うように、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあるからです。
添削を受けてみて、ある程度書けていれば月に1~2枚ぐらい書く、まったくダメなら繰り返し書く。このように判断するといいでしょう。
小論文対策は明確な解答がないため、独学では限界があります。そのことを踏まえて練習してください。

