東京都教員採用試験の小論文対策!過去問テーマや傾向を徹底解説

東京都教員採用試験の小論文

本記事は、東京都・・・教員採用試験を受験する方向けの記事です。

  • 小論文の傾向は?
  • 小論文の過去問テーマは?
  • 小論文はどうやって対策すればいいの?

このような悩みを解決します!

よく小論文試験=筆記試験と思っている受験者は多いですが、文章から人間性を探るという性質上、人物試験(面接)に近いと僕は思います。

勉強すればした分だけ成果が見える筆記試験とは違い、解答は添削者の力量次第で変わってくるため、なんとも厄介な試験といえるでしょう。

苦手意識がある人は特に注意が必要です。

どんな課題(テーマ)がでるのか、どうやって対策すればいいのか悩んでいる方は参考にしてくださいね。

この記事のコンテンツ

東京都教員採用試験 小論文の傾向

小論文は、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。

筆記試験(一般教養や専門教科)では判断できない、論理的思考力や読解力、人間性などを総合的に測ることができます。

ただ単に文章を書くのではなく、 課題テーマを正しく読み取り、自分の経験や体験を盛り込みつつ説明できるかなど、知識の総合的な応用力が問われます。

教職教養の知識が必要

過去問を見るとわかりますが、学級経営や生徒指導がテーマになりやすいです。

なので、一定の教職知識がないと上手に書くことができません。

どれだけ文章構成がよくても、そもそもの知識が不足していれば点数はあがりません。教職教養を勉強するときに、「この知識はどこで活かせるのか」確認しながら勉強しましょう。

文字数は多め

文字数は910~1050字です。

「何文字くらい書けばいいの?」と悩む受験者は多いですが、9割前後(1000字程度)を目安に書くといいでしょう

文字数は採点に大きく関わってくるので、必ず910字以上は埋めてください。

試験時間は短め

試験時間はたった70分しかありません。

文字数のわりに短すぎますね…。

実際に時間が足りず、途中で提出してしまい落ちる人はけっこういるんですよね…。時間配分に注意して書くようにしてください。

東京都教員採用試験 小論文の過去問テーマ

ここでは東京都教員採用試験の小論文で出題された過去問をまとめています。

問題は校種によってわかれているので、該当する問題を見て内容を確認しましょう。

令和3年度(2020年実施)

 あなたは、第5学年の学級担任である。
 年度初めの学年会で、学年主任から、「昨年度の児童の学習や生活における課題について、次のような引継ぎを受けました。学習に関するアンケートの、『苦手なことにも取り組みましたか。』という項目では、否定的な回答が多くみられました。また、昨年度の学年主任からは、係や当番を決める際に興味はあるが一歩踏み出せず今まで経験したことのある係を選ぶ児童や、クラス全体の場で自分の考えをうまく伝えられず発表することが苦手だと考える児童が多いとのことでした。そこで、今年度の学年経営の方針は、『学校生活において、失敗を恐れず苦手なことや初めて取り組むことに挑戦する態度を育てる。』にしたいと思います。」と報告があった。
 学年会終了後、学年主任からあなたに、「先ほどの学年経営の方針に基づいて、学級経営の重点をどこに置き、どのように取り組んでいくか、具体的に考える必要がありますね。」と話があった。

問題
 学年主任の発言を受けて、あなたなら学級担任としてどのように学級経営を行っていくか、「学習指導」と「生活指導」について具体的な方策を一つずつ挙げ、それぞれ 10 行(350 字)程度で述べなさい。また、その方策を考える上での問題意識やまとめを明確に書き、全体で 30 行(1,050 字)以内で述べなさい。ただし、26 行(910 字)を超えること。

令和4年度(2021年実施)

 あなたは、第5学年の学級担任である。
 年度初めの学年会で、昨年度の児童の課題に関する引継事項として、学年主任から、「学習面では、授業のめあてを達成できない児童がいる一方で、めあてに到達すると、それ以上は、取り組まない児童がいます。また、生活面では、相手の身になって考えることが苦手な児童が多く見られます。」と報告があった。この引継事項を踏まえ、話合いを行った結果、学年主任から、「今年度の学年経営の方針を、『教師と児童との信頼関係を築き、児童相互のよりよい人間関係を育てる』とします。」と示された。
 学年会終了後、学年主任からあなたに、「先ほどの学年経営の方針に基づいて、主に集団の場面で、必要な指導や援助を具体的にどのように行えば学級経営の充実が図れるか、一緒に考えてみませんか。」と話があった。

過去の試験問題|採用情報|TOKYO STAGE -東京の先生になろう-

問題
 学年主任の発言を受けて、あなたなら学級担任としてどのように学級経営を行っていくか、学習面と生活面について具体的な方策を一つずつ挙げ、それぞれ 10行(350字)程度で述べなさい。また、まとめを含め、全体で30行(1,050字)以内で論述しなさい。ただし、26行(910 字)を超えること。

令和5年度(2022年実施)

 あなたは、第5学年の学級担任である。年度初めの学年会における話合いの中で、学年主任から、「授業には真面目に取り組みますが、自ら進んで、学習する意欲に課題が見られます。」と報告があった。また、他の教員からは、「自分から興味・関心をもって学習し、疑問を調べて解決することに消極的ですね。」や「当番や係などの活動でも、もっと自分なりに工夫して積極的に取り組ませたいですね。」という意見もあった。
 まとめに、学年主任から今年度の学年経営の方針の一つとして、「自主的、自発的に学習したり活動したりする力を育む」が示された。学年会終了後、学年主任からあなたに、「先ほどの学年経営の方針に基づいて、学級経営の重点をどこに置き、どのように取り組んでいくか、具体的に考える必要がありますね。」と話があった。

過去の試験問題|採用情報|TOKYO STAGE -東京の先生になろう-

問題
 この事例の学校において、あなたは学級担任としてどのように学級経営を行っていくか、課題を明確にした上で、具体的な方策を二つ挙げ、それぞれ 10行(350字)程度で述べなさい。また、まとめを含め、全体で30行(1,050字)以内で論述しなさい。ただし、26行(910 字)を超えること。

令和3年度より前の問題は以下の記事でまとめています。

東京都教員採用試験 独学での小論文対策は難しい

独学で小論文対策は難しい」というのが僕の意見です。

なぜなら、知識のない人が適当に文章を書いても、書けているのかどうか判断できないからです。

良い悪いの判断ができない

  • 課題把握力
  • 教師としての実践的指導力
  • 論理的表現力
  • 文章構成力
  • 国語力

参考元:令和5年度選考方針について(東京都)

これらの観点に沿って2~3人の試験官が「減点法」を用いて採点します。

試験官が独自の感覚で採点すると評価に偏よりが出てしまいます。それを防ぐためには、採点基準をそろえる必要がありますよね。そこで採用されているのが「減点法」なのです。

実際に書いた答案から、

  • 文字数が少ない(多い):マイナス10点…
  • 論点からずれている:マイナス3点…
  • 文章構成がでたらめ:マイナス5点…
  • 漢字ミスがある:マイナス1点…
  • 熟語の使い方が違う:マイナス2点…

といった感じで点数を引いていき総合点を決定するのです。

何も知らない素人がどれだけ小論文を書いたところで…判断できませんよね。

客観的な評価が大事

正解不正解がわからないまま対策を続けても成績は伸びないので、書いた答案は必ず添削してもらいましょう。

小論文で落ちる人ほど、書いたら書きっぱなしってことが多いんですよね…。小論文を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じことです。

効率よく小論文対策をするなら「添削でフィードバックをもらう」ことが大事です。

予備校を使うのもありだし、大学生なら教職課や教職センター、講師なら校長先生を頼ってみてください。

なお、オススメの添削サービスを以下の記事でまとめています。周りに頼れる人がない方は参考にどうぞ。

東京都教員採用試験 小論文の対策はいつから始めるべきか

結論をいえば、人によります。

「何を当たり前のことを言っているんだ!」と思うかもしれませんが、事実なので…。

というのも、あなたが文章を書くのが得意と思いこんでいるなら本番1カ月前でもよいかもしれませんし、まったく苦手ならもっと早くやるべきだからです。

とはいえ、とりあえず書いてみて評価を受けてから判断することをオススメします。

何度も言うように、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあるからです。

添削を受けてみて、ある程度書けていれば月に1~2枚ぐらい書く、まったくダメなら繰り返し書く。このように判断するといいでしょう。

論文対策は明確な解答がないため、独学では限界があります。そのことを踏まえて練習してください。

東京都教員採用試験の小論文

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この記事を書いた人

ふくながのアバター ふくなが 編集長

教員採用試験の指導歴13年目(2022年4月1日時点)、情報メディア「教採ギルド」のほか「教採データベース」「教採ガイド」の運営・編集を担当しています。データ分析や情報配信が得意な人。

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