本記事は、愛知県教員採用試験を受験する方向けの記事です。
- 小論文の傾向は?
- 小論文の過去問テーマは?
- 小論文はどうやって対策すればいいの?
このような悩みを解決します!
よく小論文試験=筆記試験と思っている受験者は多いですが、文章から人間性を探るという性質上、人物試験(面接)に近いと僕は思います。
勉強すればした分だけ成果が見える筆記試験とは違い、解答は添削者の力量次第で変わってくるため、なんとも厄介な試験といえるでしょう。
苦手意識がある人は特に注意が必要です。
どんな課題(テーマ)がでるのか、どうやって対策すればいいのか悩んでいる方は参考にしてくださいね。

愛知県教員採用試験の小論文とは?傾向を解説します
小論文は、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。
筆記試験(一般教養や専門教科)では判断できない、論理的思考力や読解力、人間性などを総合的に測ることができます。
ただ単に文章を書くのではなく、 課題を正しく読み取り、自分の経験や体験を盛り込みつつ説明できるかなど、知識の総合的な応用力が問われます。
文章・データを読み解く力が必要
過去問を見るとわかりますが、文献(詩や小説)やデータ(グラフ・表)をもとに自分の経験・体験を絡めて書く必要があります。
なので、文章やデータの読解力がないと上手に書くことができません。
どれだけ文章構成がよくても、そもそも論点がズレていれば点数はあがりません。
文字数は普通
文字数は900字です。
「何文字くらい書けばいいの?」と悩む受験者は多いですが、9割前後(800字程度)を埋めておけばOK。逆に文字数が少ない場合は減点になるので注意してください。
試験時間は短い
試験時間はたった60分しかありません。
文字数のわりに短すぎます。
実際に時間が足りず、途中で提出してしまい落ちる人はけっこういるんですよね…。
- 課題の把握、文章構成:10分
- 執筆:45分
- 推敲(見直し):5分
こんな感じで、時間配分に注意して書くようにしてください。
【愛知県教員採用試験】小論文の評価基準
- 教育に対する見識をもち、現実に対する認識は適切であるか。
- 教育に対する意欲は十分であるか。
- 教師として現実に立脚した展望をもっているか。
- 出題の意図を的確にとらえ、論旨が一貫しているか。
- 文章表記は適切であるか。
これらの観点にそってA~Eの5段階で評価します。
足切りに注意
なお、筆記試験で高得点を取っていても、小論文でD評価以下なら一発不合格(足切り)になります(一般選考の場合)。
【愛知県教員採用試験】小論文の過去問(テーマ)を紹介します
ここでは愛知県教員採用試験の論文で出題された過去問5年分をまとめています。
平成31年度(2018年実施)
次の文章は、2015年ラグビー日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズが、筆者に日本の未来について語った一部である。これを読んで、あなたはこの考えをどうとらえるか。また、それを踏まえて、あなたはどのような教員になりたいと考えるか。900字以内で述べよ。
日本が創造力の歩みを止めてしまった背景には経済的な基盤が安定し、「ミスをしない」ことが支配的になってしまったことが根底にあるという。
(生島淳著『コーチングとは「信じること」』より)
「社会に『ノーミス志向』が強ければ、クリエイティブに考えたり、決断していく方向に選手を仕向けることはできません。私は、選手たちに決断して欲しい。ただ、日本の社会では選手が決断したあとで『それは間違っていた』と否定することが多い。コーチにとって大切なのは、『選手はなぜそういう決断をしたのか』を考えることです。(後略)
令和2年度(2019年実施)
問題 次の図表は、児童生徒の問題行動等についての全国の状況調査からの抜粋である。この図表からあなたは何を読み取るか。また、それを踏まえて、あなたは教員としてどのような教育を心がけたいか。900字以内で述べよ。

令和3年度(2020年実施)
新型コロナウイルスの影響で中止
令和4年度(2021年実施)
問題 次の図表は、外国籍の児童生徒数についての全国調査からの抜粋である。この図表からあなたは何を読み取るか。また、それを踏まえて、あなたは教員としてどのような教育を心がけたいか。900字以内で述べよ。

令和5年度(2022年実施)
問題 次の文章を読んで、 この筆者の考えをあなたはどうとらえるか。 また、 それを踏まえて、あなたはどのような教員を目指したいと考えるか。 900字以内で述べよ。
答えは確かに〈ある〉。それが初等中等教育における「問題」の大前提である。そして先生はその答えを知っている。その正しい答えに、どうしたら自分たちも到達できるだろうか。先生が知っているはずの答えと自分のものが一致すれば正解で、違っていればバツ。それが入学試験も含めて、高校までの試験の問題であった。
考えてみると、これは怖いことではないか。なぜなら、小学校から高校まで、誰もが一貫して、問題には必ず答えがあるということを前提とし、正解は必ず一つであると思い込んできたのだから。教師の側も、答えが二つも三つもある問題は避けてきただろうし、答えのない問題は出しようがなかった。
どこかに正解があって、その正解は自分が知らないだけであって、誰かが(たぶん誰か偉い人が)知っていると、頭から思い込んでいること、その呪縛のまま、大学においても同じスタンスで教育を受け、そして社会に出ていく。そんな社会人ばかりが増えていくと考えることは怖しいことではないか。
(永田和宏著『知の体力』より)
なお、愛知県教員採用試験(小論文)の模範解答例は以下の記事で公開しています。
【独学でもできる?】愛知県教員採用試験の小論文対策について
「独学で小論文対策は難しい」というのが僕の意見です。
なぜなら、知識のない人が適当に文章を書いても、書けているのかどうか判断できないからです。
良い悪いの判断ができない
- 文章の構成
- 分かりやすさ
- 誤字脱字や不適切な表現
- 字数(400字以上500字以内)
- テーマを正しく理解している
- テーマに沿って論じている
- 自分の考えを具体的に記述している
これらの観点に沿って2人~3人の試験官が「減点法」を用いて採点します。
実際に書いた答案から、
- 文字数が少ない(多い):マイナス10点…
- 論点からずれている:マイナス3点…
- 文章構成がでたらめ:マイナス5点…
- 漢字ミスがある:マイナス1点…
- 熟語の使い方が違う:マイナス2点…
といった感じで点数を引いていき総合点を決定するのです。
何も知らない素人がどれだけ小論文を書いたところで…判断できませんよね。
客観的な評価が大事
正解不正解がわからないまま対策を続けても成績は伸びないので、書いた答案は必ず添削してもらいましょう。
小論文で落ちる人ほど、書いたら書きっぱなしってことが多いんですよね…。小論文を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じことです。
効率よく小論文対策をするなら「添削でフィードバックをもらう」ことが大事です。
なお、オススメの添削サービスを以下の記事でまとめています。周りに頼れる人がない方は参考にどうぞ。

愛知県教員採用試験の小論文はいつから対策する?
結論をいえば、人によります。
「何を当たり前のことを言っているんだ!」と思うかもしれませんが、事実なので…。
というのも、あなたが文章を書くのが得意と思いこんでいるなら本番1カ月前でもよいかもしれませんし、まったく苦手ならもっと早くやるべきだからです。
とはいえ、とりあえず書いてみて評価を受けてから判断することをオススメします。
何度も言うように、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあるからです。
添削を受けてみて、ある程度書けていれば月に1~2枚ぐらい書く、まったくダメなら繰り返し書く。このように判断するといいでしょう。
小論文対策は明確な解答がないため、独学では限界があります。そのことを踏まえて練習してください。

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