教員採用試験は自治体によって試験内容が異なります。
そのため、教員採用試験全般の内容を鵜呑みにして対策することはNGです。一般的には必要な試験種目でも、宮城県では必要ないってことがあるんですよね。
そこで本記事では、これから対策を始める方向けに宮城県教員採用試験の内容や傾向を解説します。

宮城県教員採用試験の内容は?
宮城県教員採用試験の選考方法は二段階選抜方式です。
【二段階選抜方式とは?】
まず一次選考で受験者を篩にかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定するという選考方法のこと。
つまり、どれだけ筆記試験の勉強をして高得点が取れても、二次試験の面接で評価がもらえないと最終合格できません。もちろん、その逆もしかりです。
最終合格するにはバランスよく対策することが大事なので、試験内容をきちんと把握して対策しましょう。
宮城県教員採用試験の一次試験はどんな内容なの?
一次試験は筆記試験がメインになっています。
「教員採用試験=人物重視」という傾向にありますが、対策の大半を勉強に充てなければなりません。試験科目を的確に捉え、出題傾向をつかんで対策しましょう。
一次試験の内容は以下のとおり。
- 教職・一般教養
- 教科専門
教職・一般教養
教職・一般教養の内容は大きく2つに分類されます。
1つは教師として働く上で必要となる学習指導要領や法令などの教師力を測る「教職科目」、もう一つは、高校までに習った基礎学力を測る「一般教養科目」です。
試験時間 | 60分 |
問題数 | 29問(必答) |
出題形式 | 択一式(マークシート方式) |
試験科目 | 教育原理(教育時事を含む) 教育法規 教育心理 教育史 人文科学 社会科学 自然科学 |
配点 | 100点満点 |
要は科目の多い大学入学共通テスト(旧センター試験)のようなもので、その多くが大学の教職課程や高校までに学んだ内容です。
▼こんな問題が出ました▼
-過去問チャレンジ-


一度は勉強したことがある科目ばかりなので馴染みはあると思います。
しかし…出題範囲がとても広いので、どの分野が多くでるのか、どの分野は苦手なのか、出題傾向を理解したうえで勉強することがポイントです。
また、一般常識や教育時事(教育関連のニュースのこと)に関する問題もあります。
そのため、文部科学省のホームページを見たり、新聞を読んだりして、普段の生活から情報収集をしておきましょう。
なお、宮城県教員採用試験の一般教養対策については、以下の記事を参考にしてください。

教科専門
志望する校種・教科の専門知識や学習指導要領の理解度を測る択一式の筆記試験です。
▼教科専門検査の傾向▼
試験時間 | 60分 |
問題数 | 教科・科目による |
出題形式 | 択一式(マークシート方式) |
配点 | 100点 |
問題レベルは、その教科に関する基礎的な知識から高度な専門知識まで幅広いです。
たとえば、小学校算数の場合、四則演算や分数などの基礎的な知識から、面積や体積、比例などの応用的な問題まで、様々なレベルの問題が出題されています。また、中学校・高校の場合は、中学校で学ぶ基礎的な部分から高校の教科書や大学の入試問題などを参考にした、高度な問題が出題されることもあります。
その他、学習指導要領の問題も出ているので注意が必要です。
▼こんな問題が出ました▼
-過去問チャレンジ-


まずは志望する校種・教科の過去問を解いてみて、現在の実力を確認しましょう。そうしないと、何を対策すればいいか判断できません。
- 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす
- 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける
- 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服
こんな感じで考えるといいですよ。

宮城県教員採用試験の二次試験はどんな内容なの?
二次試験は人物試験です。
教採=面接重視なので、面接試験でどれだけ点数を稼ぐかが最終合否に大きく関わってきます。
努力に比例して成果が見える一次試験とは違い、面接試験は質の高い練習が必要です。適当にダラダラ練習しても効果は薄いので気をつけましょう。
二次試験の内容は以下のとおり。
- 集団討議
- 個人面接
- 実技試験
集団討議
この試験を通して筆記試験では判断できない受験者の人間性や教員への資質・適性、志望意欲などを評価します。
試験時間 | 30分~40分 |
受験者数 | 4人~6人 |
面接官 | 2人~3人 |
配点(評価) | A~Dの4段階評価 |
▼こんなテーマが出ました▼
-過去問チャレンジ-
- 命を大切にし,互いを尊重し合う心や,美しいものや自然に感動する心など,児童・生徒に豊かな心を育む上での課題をあげ,具体的な取組としてどのようなことが考えられるかをみなさんで話し合ってまとめてください。
- 児童・生徒の体力・運動能力を向上させるためには,家庭や地域との連携が重要です。連携を進める上での課題をあげ,具体的にどのような連携を図ることができるかをみなさんで話し合ってまとめてください。
- 「働き方改革」が問われています。教員の業務の中で勤務時間を過ぎた時間帯の電話対応を留守番電話にするなどの取組も行われていますが,勤務時間後の保護者対応の在り方について話し合ってまとめてください。
集団討論では、自分の意見を言い、他の受験者の意見を受け入れ、それらを組み合わせて最適な解決策を見つけることが求められます。
自分一人だけが目立つのではなく、周りのメンバーと協力する姿勢で臨みましょう。
なお、宮城県教員採用試験の集団討議については、以下の記事でくわしく解説しています。

個人面接
事前に提出する自己アピール票(面接カード)にそって、自己PRや志望動機などを問われる面接試験です。
一人2回実施。
試験時間 | 各25分 |
面接官 | 2~3人 |
質問内容 | ①志望動機、教職関連 ②自己PR、仕事意識 |
評価基準 | 社会人としての資質・常識 教育への情熱 豊かな人間性 子どもの理科 社会貢献に対する意欲 |
配点(評価) | A~Dの4段階 |
▼こんな質問が聞かれました▼
-過去問チャレンジ-
- 会場までどうやって来ましたか。
- コロナ禍ではどのように生活していましたか。
- 志望動機を言ってください。
- 教員を目指したのはいつからですか。
- 希望する地域はありますか。
- 志望動機を言ってください。
- 宮城県の教員を志望する理由は何ですか。
- 併願はしていますか。
- 特別支援学校は希望しますか。
- ストレスはどうやって解決しますか。
面接を苦手とする人は多いです。しかし、合格するには避けては通れません。
面接は練習量に比例して徐々に上達するので、苦手意識が少しでもある人は早めに準備してください。
面接練習をすることで、
- 自分の長所や短所
- なぜ教員になりたいのか
- 教員になって何がしたいのか
といった部分を改めて確認できます。自分と向き合う良い機会なので、時間をかけてじっくり取り組んでいきましょう。
なお、宮城県教員採用試験の個人面接は以下の記事で詳しくまとめています。

実技試験
教科・科目に関する実践力を備えているのか評価する試験です。
以下の校種・教科を対象に実施されます。
科目 | 試験内容 |
---|---|
保健体育 | 【共通種目】 水泳、陸上、器械運動、ダンス 【球技(選択)】 バスケットボール、バレーボール 【武道(選択)】 柔道、剣道 |
音楽 | 【共通試験】 1 8小節程度の当日指定された旋律に伴奏をつけて,母音唱又は階名唱とピアノによる弾き歌い 2 7月上旬の「出願者名票」交付の時期にあわせてWebページで提示する3曲から,当日指定の1曲を自分でピアノ伴奏をしながら歌唱 《選択A》 ピアノ,管,弦,打楽器のうちの楽器で任意の1曲を演奏 《選択B》 歌曲,アリアから任意の1曲を演奏 |
美術 | モチーフ(ピーマン)を用いて、 ・塑像 ・モチーフと塑像作品を配置した水墨画 |
家庭 | ティッシュケースの製作 |
英語 | ・英文の朗読 ・スピーチ及び質疑応答 ・一般的な質問と教育的な話題に関する質問 |
何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象。
そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。
以上が宮城県教員採用試験の内容です。
宮城県教員採用試験の試験内容まとめ
今回は宮城県教員採用試験の一次試験と二次試験の内容を紹介しました。
試験=ペーパーテストと思う人は多いですが、教員になるための就職試験です。なので、面接や実技試験などの幅広い試験が課されています。
再度、試験内容をまとめます。
このとおり多いです。
やみくもに対策するのではなく、きちんと傾向を理解してから進めてください。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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